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Column

コラム

2020.07.08

鎌倉市に建てる注文住宅

鎌倉、由比ヶ浜から134号を江ノ島方面へと向かう。

海岸線を江ノ電がゆったりと走り、海には早い時間からたくさんのサーファーが波と遊んでいる。

目を上げると江ノ島、さらに遠くには富士山や伊豆半島が見え、湘南を象徴する景色が広がる。

静かな波の音、潮風は心地良く、日暮れには美しい夕日に会える。

 

そんな絶好のロケーション、誰もが憧れる土地だろう。

 

その海岸線から少し山側に入ったとても静かな場所にN邸は建ってる。

ウッドデッキと造作感のある白い外壁。入口へ回ると特徴的なファサードが設けられ、まるでヨーロッパの住居のような外観である。

 

出迎えてくれたのは、今回のお施主様のN様ご夫妻。

とても爽やかな、この家によく似合う優しい雰囲気のご夫婦である。

 

一歩中へ入ると、外観からは想像がつかないほど広々とした室内。大きな窓と吹き抜けを上手く活用し、光が室内に行き渡っている。

少し山側に入っているので海岸線の騒々しさは皆無で、心地良い風が入ってくる。

 

 

「はじめは、注文住宅を建てるなんて思ってもみなかったんです」(ご主人)

「消費税が上がる前に中古住宅でも見てみようかと不動産屋へ。それが始まりだったんです」(奥様)

 

そう話しはじめたお二人。

その後、中古や新築、住宅展示場と色々見て行くうちにだんだんと住宅購入の想いが強まっていったそうだ。

 

「色々見たんですけど、どれもしっくりこないというか同じに見えてしまったんですね。そこで不動産屋さんから、土地を購入して注文住宅を建ててはどうかと言われました」(奥様)

 

そこでまずは土地を探すところからはじめ、いくつかの候補のなかから現在の土地と出会う。

 

「もともと辻堂に住んでいて、海は慣れ親しんでいましたし、家を建てるなら海のそばが良かったのでここが見つかった時に「ここだ!」ってすぐ決めてしまいました」(ご主人)

 

先に土地が決まったN様ご夫妻。そこからハウスメーカー選びがはじまる。

ここで湘南地域特有の状況が最初の壁となる——。

 

“風致地区”

 

すなわち自然景観を保つために、様々な規制がなされている都市計画区域のこと。

 

「隣地境界線から1m以上離さないといけなかったり、高さ規制があったり、また変形地なので断られてしまうメーカーさんもあったんです。そんな時にホームテックさんを紹介してもらいました」(ご主人)

「岩﨑社長の人柄がとても良くて、色々不安になっていた私たちの要望を親身に聞いてくれたので、ここなら自分たちの想いも伝わると思って決めました」(奥様)

 

ツーバイフォーという名称も知らなかったというお二人。だが、説明を受けていくなかで強度や間取りの自由度などツーバイフォーのメリットを理解していく。細かい単位で調整ができるということにも驚かれたようだ。

 

ご主人の希望は、上下階が分断されないような作りで、どの部屋にも光が入る明るい家、そして寒くない家。趣味のサーフィンのための屋外シャワーの設置。

 

一方アンティークが好きだという奥様は、ご自身で買い付けた建具や部材を随所に組み込んだぬくもりのある空間、そして全体が見渡せる開放感のあるキッチンという希望であった。

 

限られた敷地を最大限に活かしたご提案で、全体計画を練り上げていく。

まずはご主人の希望を吹き抜けとリビングの取り方で実現した。

大きな窓は全開型にできるタイプのものにし、窓は開けるとウッドデッキとリビングが一体となり、吹き抜けと合わせて広々とした明るい空間となる。

 

温度対策はロックウールを使用し、温度管理と防音性の両方をカバーした。

2階に上がると、1階と同じように大きな窓に面したバルコニー。窓の位置を調整し、カーテンがいらない作りになっているため、非常に明るく開放的である。

 

「やっぱり一番のお気に入りはリビングですね。

ソファーに座ってウッドデッキを見てそこから流れてくる風が何ともいいです。

あと屋外のシャワーもやっぱり付けてよかった」(ご主人)

 

奥様のご要望であるアンティーク材料を使用するためにも色々とアイデアを練る。

アンティークのものとそうでないものとの差が出過ぎないように、色や素材にも気を配る。

床は1階、2階ともに無垢材を使用、壁は珪藻土で、手作業の感じを出した。

 

キッチンは外の緑を活かすアイデア。キッチンの奥の高い位置に窓を設け、外の緑がキレイに見えるようにした。

自然のオブジェといった感じで、採光性とデザイン性を両立している。

 

ちょっと広めのキッチン内部。前後の作業台でご夫婦が一緒に料理ができる。

 

「このキッチンを眺めるのが好きなんですよ。緑も見えるし。もちろんキッチンからも開放的で良いですけど。食卓から眺めるキッチンが気に入ってます」(奥様)

 

寝室は将来家族が増えたときのことも考えて作られている。

 

ドアが2つあり、中央に仕切りを設ければ2部屋になる。それぞれに収納スペースが設けられており、一つは収納力充分なウォークインクローゼットになっている。

そしてこの家のもう一つの特徴は、小屋裏である。

 

屋根裏部屋というと暗いイメージだが、このスペースを有効活用し、横長の大きな窓を設けて明るい光が差し込むようにした。窓からは海が見え、ちょっとした隠れ家的スペースに。将来は子ども部屋としても使えそうだ。

 

順調に見えた家づくりにもいくつかの問題が。

計画途中で発生したのは、地盤改良にともなう費用の問題だった。

 

「先ほども言いましたけど、法律的な知識がないままこの土地を買ってしまい、3階建てはだめだとか全然知らなくて。しかも地盤の改良が必要だということが途中で判明して、資金計画が大きく変わってしまいました」(ご主人)

 

「正直どうしようと思いました。でもそういうところもホームテックさんは丁寧に対応してくれました。規制が多い場所でも、工夫次第で色々なことができるということを過去の施工例から見せてくれたり、予算が減ってもその予算内でできる方向性を探ってくれたり。結果的に良いものになりました」(奥様)

 

家づくりにスタンダードというものは存在しない。

土地の形や状態、周辺環境、法律、そしてお施主様のご要望。常に条件が違い、毎回毎回がチャレンジである。

 

計画段階からご自身たちの様々なアイデアを持って積極的に家づくりに関わってきたN様ご夫妻。決めることが多く本当に大変だったが、「この家の出来栄えを見ると、それまでの苦労が実を結んだというか、報われたという感じです」と話してくれた。そして、夫婦お互いがそれぞれ自分の思うところをこだわってくれて良かったと話していたのが印象的だった。

 

「実際に住んでみて、我が家ながら「なんだこのおしゃれな家は!」と(笑)。

お店に来ているみたいな感じで最初は落ち着かなかったですね。

この家に住んでから晩酌するようになりました」(ご主人)

 

「着工してから毎週見に行ってて、その度にわくわくしてました。

出来上がってみると本当にステキで、自分たちで考えたものがこういう風にステキに実現されてすごいなぁって。それと色々なところにアンティークを使ってもらいましたが、思っていた以上にしっくりきていて良かったです。

友人を招待すると、くつろいじゃってなかなか帰ってくれないんですよ(笑)」(奥様)

 

最後にホームテックとの家づくりについて聞いてみた。

 

「岩﨑社長のアイデアがすごかった。あと3Dの図面をすぐに起こしてくれて、早いうちからイメージが湧いてよかったですね」(ご主人)

 

「コーディネーターの方からは、女性目線の現実的なアドバイスをたくさんいただいて助かりました。収納はこれでは全然足りないとか(笑)とても参考になりました」(奥様)

 

奥様はひとつ感謝していることがあるという。

 

「2階に無垢材の大きなテーブルがあるんですけど、あれを他県にある私の実家からどうしても持ってきたかったんです。相談したら、わざわざホームテックさんが実家まで取りに行ってくださって…。本当にありがとうございました」(奥様)

 

N様ご夫妻は、今年待望の第一子の誕生を迎える。

 

「子どもが庭の草いじりなどをできるような家がいいなと思いました」(奥様)

「このウッドデッキで子どもと遊ぶ日が楽しみです」(ご主人)

 

この家に元気な笑い声がこだまするのも、もうすぐだろう——。

 

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