世界中で注目される木造建築

近年、欧州・北米・豪州を中心に木造建築が注目されています。
なぜ今「木造建築」が注目されているのか?世界の代表的な木造建築をご紹介します。

なぜ今「木造建築」なのか?

環境保護(森林育成・林業再生)や地球温暖化防止の観点から木造建築が注目されています。

例えば、代表的な健在である鋼鉄とコンクリートは製造〜使用時にたくさんのCO2を排出します。

 

木は成長時に多くの炭素を吸収します。

木材は重量の半分の炭素を固定することができ、輸送時のCO2排出も抑えることができます。

C.F.モーラー社のマネージングディレクターであるマルテン・レリンゲ氏は、建築業界は二酸化炭素総放出量の約30~40%を占めており、環境に悪影響があると考えられているが、その主な排出源は鋼鉄とコンクリートだと指摘する。

一方で木材は二酸化炭素の放出を減らし、建築廃棄物の量も大幅に少なくなる。さらに木材は軽いため、輸送のエネルギー効率も高くなるという。

(出典)http://kenplatz.nikkeibp.co.jp (2013.06.27)

近年の代表的な木造建築

  • 2013年11月 5階建てアパート(日本・銀座二丁目)ツーバイフォー木造耐火建築
  • 2013年10月 4階建て大型ショッピングセンター「サウスウッド」(日本・横浜市)
  • 2013年07月 7階建てオフィスビル「タイメディア本社ビル」(スイス・チューリッヒ)建築家 坂茂 作 
  • 2012年10月 大型ショッピングセンター「G3 Shopping Resort Gerasdorf」(オーストリア・ウィーン)
  • 2012年10月 10階建てアパート「FORTE(フォルテ)」32m、CLT(オーストラリア・メルボルン)
  • 2009年    9階建てアパート「Murray Grove(マレイ・グローヴ)」(イギリス・ロンドン)

建設中・建設予定のプロジェクト

  • 2023年完成予定 スウェーデン・ストックホルム 34階建て高層マンション
  • 2017年秋完成予定 バンクーバー 16〜18建て学生寮建設プロジェクト
  • 2014年04月開始 ノルウェー 14階建てアパート、49m※世界で最も高くなる

「木」を使うことが、住宅需要と気候変動の解決策の一つになる

TEDウェブサイト(マイケル・グリーン「なぜ木材を使って高層ビルを建てるべきなのか」)より
TEDウェブサイト(マイケル・グリーン「なぜ木材を使って高層ビルを建てるべきなのか」)より

建築家のマイケル・グリーン氏はTEDカンファレンスで高層建築に木材を使うことの必要性を次のように語っています。

現在、都市部に住む人口の割合は50%だが、2040年には75%にまで増え、今後も大きい建物が必要であり続けます。

このような都市部では木が果たすべき役割があるように考えます。

こう考えるのは今後20年の内に今世界に暮らす30億人が新しい家を必要とするようになっていくためです。

世界の40%の人々が20年以内に新しく家を建ててもらう必要が出てくるのです。

現在、都市部に住む3人に1人はスラム街で暮らしています。

つまり、世界中では10億人がスラムで暮らし、1億人がホームレスということです。

建築家と社会にとっての建築で取り組むべき課題の規模感というのは、これらの人々に住居を提供する解決策を見つけるという大きなものです。

 

しかし、課題は都市化が進む一方、都市は2種類の建材で作られているということです。

鋼鉄とコンクリートはもちろん素晴らしく、これらは前世紀を代表する建材です。

ただし、非常に多くのエネルギーを使う素材で、製造段階で非常に多くの温室効果ガスを発生させます。

鋼鉄は人が発生させる温室効果ガスの3%に貢献し、コンクリートは5%以上です。

この2つを考えると、現在の温室効果ガスの8%がこの2つの建材から来ていることになります。

 

アメリカでの温室効果ガスの影響についての統計では47%が建設業界に関連するもので、33%が輸送に関するものです。

輸送に関してはよく話題に上りますが、そして、主にエネルギーの話が出ますが、これは同時にCO2のことでもあるのです。

 

私の思う限りでは、この問題(住宅需要と気候変動)は結果的には、家が必要になる30億人に住宅を提供することと気候変動の緩和措置は真っ向から対立するのか、すでに対立しているのかもしれません。

この課題を乗り越えるには新しい考え方をする必要があり、木も解決策の一つになるだろうと考えます。

 

なぜそうなるかお話しします。

 

建築士が使える素材では木材だけが建築に使えるほど大きく、太陽の力で成長する素材なのです。

森の中で木が成長する時には酸素を発しながらCO2を吸収します。

さらに木がその命を終えて森の地面に朽ちていくと、大気か地中に吸収したCO2を戻します。

ですが、この木を伐採して建物の一部に使ったり、家具を作ったりすれば、実は木は驚くほどの量のCO2を閉じ込めることができて隔離システムを提供してくれます

1立方メートルの木はおよそ1トンのCO2を閉じ込めることができます。

気候変動に必要な二つの解決策は排出を減らすことと、閉じ込め先を探すことです。

この2つを可能にする唯一の建築素材が木材なのです。

(出典)http://www.ted.com(TED2013)