建築と聞くと、木造建築の他にもコンクリートのRC造や鉄骨造など様々な構造を思い浮かべますよね。
しかし「木造耐火建築」というものを聞いたことがあるでしょうか。
木造耐火建築は木造建築の良さを持ちつつも、火災などの災害に強い建築です。
今回は、そんな木造耐火建築で事務所を建てることについて解説します。
- 木造耐火建築の定義
- 木造耐火建築で事務所を建てるべき理由
- 木造耐火で事務所を建築した際の費用例
- 木造耐火建築のデメリット
この記事を読めば、なぜ木造耐火建築が事務所を建てることに向いているのかわかるでしょう。
是非、最後までご覧ください。
1:木造耐火建築とは?徹底解説
木造耐火建築が一体何か分かりますか。
簡単に説明すると、火災などの災害に強い木造建築のことです。
通常ただの「木造建築」では、火災に弱いと考えられます。
実際に1995年に発生した阪神淡路大震災では、老朽化した木造建築が原因で火災被害が増したと考えられているのです。
しかし、木造耐火建築であれば火災などの災害に強い建築ができます。
特に政府によって耐火建築物でなければならない場所や、耐火建築対象となる建物には注意が必要です。
防火地域 | 準防火地域 | |||||
50㎡以下 | 100㎡以下 | 100㎡超 | 500㎡以下 | 500㎡〜1,500㎡以下 | 1,500㎡超 | |
4階以上 | 耐火建築 | 耐火建築 | ||||
3階建て | 耐火建築 | 準耐火建築 | 耐火建築 | |||
2階建て | 準耐火建築 | 耐火建築 | 防火構造 | 準耐火 | 耐火建築 | |
1階建て | 準耐火建築 | 耐火建築 | 防火構造 | 準耐火 | 耐火建築 |
木造耐火建築には、以下のような基準が義務付けられています。
壁・外壁
外側からの火災から建物を守るために1〜2時間は耐火仕様でなければなりません。5階以上の建物であれば2時間の耐火時間が必須です。
屋根・階段
屋根と階段の耐火時間は30分です。これは、建物の階数に関係なく15階以上であっても30分の耐火時間が義務づけられています。
柱・はり
柱とはりは建物の主要構築となります。建物の階数が高ければ高いほど、耐火時間も長くなければなりません。4階建てまでであれば1時間、5階から14階までであれば2時間、15階以上は3時間の耐火時間です。
※はり…柱の上にあり、建物の上から重さを支えている部分
2:木造耐火建築が事務所を建築するのに向いている3つの理由
事務所は木造耐火建築で事務所を建築することをおすすめします。
RC造や鉄骨造にはない魅力が、木造耐火建築にはあるのです。
木造耐火建築が事務所を建築するのに最適な理由は、3つあります。
- 建築費用が安い
- 建築後の省エネ対策
- 木の温かさを感じられる
3つの理由をさらに詳しく解説していきましょう。
理由①:建築費用が安い
木造耐火建築は、他の構造材料と比べると費用を抑えて建築することができます。
建築費用が1番高いのがRC造で、1番安いのが木造建築です。
耐火木造建築は、一般的な木造建築とは違って耐熱効果があります。
そのため、一般的な木造建築より費用は高めです。
事務所を建設する際、耐火木造建築であれば少しでも費用を抑えられます。
RC造や鉄骨造のように同じ耐火基準ですが、コスト削減できる構造材料です。
更に、木造耐火建築であれば保険費用も安くなります。
非耐火建築と比べると、耐火建築は火災保険料が安くなるのです。
約60%ほど安くなります。
理由②:建築後の省エネ対策
木造耐火建築は建築後も省エネ対策ができるため、節約へと繋がります。
省エネ対策がどのようにできるかというと、木造建築は断熱性が非常に高いのです。
よく「夏は涼しく冬は暖かい」という言葉を聞いたことがありませんか。
これは、木造建築に当てはまることです。
木造建築は断熱性が高く、外気の気温を家の中へと侵入させません。
もう1つ木材建築に共通して言えることが、気密性です。
気密性が高いと外の空気(気温)が室内に入り込むことなく、室内の気温が保たれます。
夏や冬にエアコンを利用すれば、ずっと心地の良い気温が保たれるのです。
結果として、エアコンなどの費用が高くならず、省エネ・節約効果が期待できます。
理由③:木の温かさを感じられる
木材って温かさを感じませんか。
無機質なコンクリートや鉄骨に比べると、木材は温かさを感じますよね。
部屋の中の気温が心地よいだけでなく、見た目も木材のおかげで優しければ、事務所で働く方にとっても良い影響なのではないでしょうか。
建設時に二酸化炭素の排出量が少なく、再生可能な資源でもある木造建築は、人に優しいだけでなく、地球にも優しい建築物なのです。
3:【建築費用を大解剖】木造耐火建築で事務所
実際に、木造耐火建築で事務所を建築すればどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
もちろん、土地の坪価格によって異なりますが、RC造と同じ広さと考え建設してみましょう。
まず、RC造で建築をした場合、全国平均で111.7万円/坪かかるのに対し、木造建築であれば56.9万円/坪かかります。
木造建築の場合は、RC造の約半分ほどの費用で建設できることが分かりますね。
全国の建築物を構造別で比較すると、RC造は約2%なのに対し、木造建築は43%と全国的に人気です。
RC造の約20倍も建築物がある木造建築ですが、この差は建築費用が大きく関わっているのではないでしょうか。
弊社ホームテックが、同じ坪単位でRC造と木造耐火で見積もりを調べた結果、費用の差額は明確でした。
RC造の場合は費用が2,600万円かかるのに対して、木造建築は2,000万円だったのです。
木造でありながらも耐火ができる、その上圧倒的なコストパフォーマンスの良さが木造耐火建築の人気の理由の1つでしょう。
4:木造耐火建築で事務所を建てる際の唯一の注意点
木造耐火建築の魅力は分かったけど、デメリットは無いのかな?
RC造や鉄骨造に比べると費用を抑えることができ、建設後も節約できる構造材料だと紹介しました。
しかし、木造耐火建築には1つだけ注意をしておきたいことがあります。
耐火木造建築はあくまでも、木造建築の一部です。
木造は、RC造や鉄骨造に比べると寿命が短くなります。
その結果、小まめな手入れが必要となるのです。
手入れが必要
RC造の耐用年数が50年と定められているのに対して、木造建築の耐用年数は24年です。
これは、決して木造建築の寿命が24年というわけではありません。
しかし、RC造に比較すると寿命が短いというのは明らかですね。
木造耐火は、腐朽問題やシロアリなどの害虫問題に対策をする必要があります。
腐朽問題に関しては、建設時にしっかりと防腐剤で処理をしましょう。
建築物に雨がかからないような工夫や、通気性の良い建築が鍵です。
シロアリなどの害虫問題は、防蟻剤で防ぐのが主流でしょう。
5年に1度は防蟻剤を使用することで、より長く建築物が朽ちることなく保たれます。
まとめ
木造耐火建築で、事務所は建設できることをお伝えしました。
RC造などの他の建築構造に比較すると、圧倒的なコストパフォーマンスで建築できるのが木造耐火建築です。
弊社ホームテックは、耐火木造建築を得意としております。
もちろん、木造耐火建築で事務所を建設することも可能です。
少しでもお悩み事がありましたら、まずは気軽にご相談ください。