鎌倉、由比ヶ浜から134号を江ノ島方面へと向かう。

海岸線を江ノ電がゆったりと走り、海には早い時間からたくさんのサーファーが波と遊んでいる。

目を上げると江ノ島、さらに遠くには富士山や伊豆半島が見え、湘南を象徴する景色が広がる。

静かな波の音、潮風は心地良く、日暮れには美しい夕日に会える。


そんな絶好のロケーション、誰もが憧れる土地だろう。


その海岸線から少し山側に入ったとても静かな場所にN邸は建ってる。

ウッドデッキと造作感のある白い外壁。入口へ回ると特徴的なファサードが設けられ、まるでヨーロッパの住居のような外観である。


出迎えてくれたのは、今回のお施主様のN様ご夫妻。

とても爽やかな、この家によく似合う優しい雰囲気のご夫婦である。


一歩中へ入ると、外観からは想像がつかないほど広々とした室内。大きな窓と吹き抜けを上手く活用し、光が室内に行き渡っている。

少し山側に入っているので海岸線の騒々しさは皆無で、心地良い風が入ってくる。

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「はじめは、注文住宅を建てるなんて思ってもみなかったんです」(ご主人)

 

「消費税が上がる前に中古住宅でも見てみようかと不動産屋へ。それが始まりだったんです」(奥様)

 

そう話しはじめたお二人。

その後、中古や新築、住宅展示場と色々見て行くうちにだんだんと住宅購入の想いが強まっていったそうだ。

 

「色々見たんですけど、どれもしっくりこないというか同じに見えてしまったんですね。そこで不動産屋さんから、土地を購入して注文住宅を建ててはどうかと言われました」(奥様)

N様ご夫妻
N様ご夫妻

そこでまずは土地を探すところからはじめ、いくつかの候補のなかから現在の土地と出会う。


「もともと辻堂に住んでいて、海は慣れ親しんでいましたし、家を建てるなら海のそばが良かったのでここが見つかった時に「ここだ!」ってすぐ決めてしまいました」(ご主人)


先に土地が決まったN様ご夫妻。そこからハウスメーカー選びがはじまる。

ここで湘南地域特有の状況が最初の壁となる——。


“風致地区”

すなわち自然景観を保つために、様々な規制がなされている都市計画区域のこと。


「隣地境界線から1m以上離さないといけなかったり、高さ規制があったり、また変形地なので断られてしまうメーカーさんもあったんです。そんな時にホームテックさんを紹介してもらいました」(ご主人)


「岩﨑社長の人柄がとても良くて、色々不安になっていた私たちの要望を親身に聞いてくれたので、ここなら自分たちの想いも伝わると思って決めました」(奥様)


ツーバイフォーという名称も知らなかったというお二人。だが、説明を受けていくなかで強度や間取りの自由度などツーバイフォーのメリットを理解していく。細かい単位で調整ができるということにも驚かれたようだ。


ご主人の希望は、上下階が分断されないような作りで、どの部屋にも光が入る明るい家、そして寒くない家。趣味のサーフィンのための屋外シャワーの設置。

一方アンティークが好きだという奥様は、ご自身で買い付けた建具や部材を随所に組み込んだぬくもりのある空間、そして全体が見渡せる開放感のあるキッチンという希望であった。

限られた敷地を最大限に活かしたご提案で、全体計画を練り上げていく。


まずはご主人の希望を吹き抜けとリビングの取り方で実現した。

大きな窓は全開型にできるタイプのものにし、窓は開けるとウッドデッキとリビングが一体となり、吹き抜けと合わせて広々とした明るい空間となる。

温度対策はロックウールを使用し、温度管理と防音性の両方をカバーした。

2階に上がると、1階と同じように大きな窓に面したバルコニー。窓の位置を調整し、カーテンがいらない作りになっているため、非常に明るく開放的である。


「やっぱり一番のお気に入りはリビングですね。

ソファーに座ってウッドデッキを見てそこから流れてくる風が何ともいいです。

あと屋外のシャワーもやっぱり付けてよかった」(ご主人)

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奥様のご要望であるアンティーク材料を使用するためにも色々とアイデアを練る。

アンティークのものとそうでないものとの差が出過ぎないように、色や素材にも気を配る。

床は1階、2階ともに無垢材を使用、壁は珪藻土で、手作業の感じを出した。

キッチンは外の緑を活かすアイデア。キッチンの奥の高い位置に窓を設け、外の緑がキレイに見えるようにした。自然のオブジェといった感じで、採光性とデザイン性を両立している。

ちょっと広めのキッチン内部。前後の作業台でご夫婦が一緒に料理ができる。


「このキッチンを眺めるのが好きなんですよ。緑も見えるし。もちろんキッチンからも開放的で良いですけど。食卓から眺めるキッチンが気に入ってます」(奥様)

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